ワーカーズキャピタルとは、労働者が拠出した、または労働者のために拠出された資金のことで、「企業年金」「公的年金」「労働組合の独自資金」が該当します。そして、それらの資金をもとに投資を行う際には、財政的要素に加えて、非財政的要素である環境・社会・ガバナンス(ESG)を考慮した上で、資産所有者としての権利を行使しかなければなりません(責任投資)。
年金等の運用というと、収益性や安定性など財政的側面ばかりが注目されますが、もし、投資先が社会や環境に悪影響を及ぼす団体だった場合、いくら財政的な面で有利な運用であっても、社会的には不利益を被ることになります。 逆に、環境や社会的な公正、ガバナンスの向上につながる投資ができれば、社会はよりよい方向に進化し、かつ資金の最終受託者である労働者も安定した収益を中長期的に確保できます。
連合は、ワーカーズキャピタル責任投資を積極的に推進する立場から「労働組合のための『ワーカーズキャピタル責任投資ガイドライン」を策定。あわせて、世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人など、公的年金制度の積立金の運用機関に対しても、責任投資を求めています。