職業を持つ人の9割が雇用労働者である「雇用社会日本」。安心して働き続けるためには、労働基準法をはじめとするさまざまな法律や制度が維持・強化されなければなりません。さらに、労働に関する問題に適切に対処するには、労働基準監督官の増員をはじめとする、国や地方自治体における労働行政の強化も必要です。
しかし、近年では労働者派遣法の改悪など、労働者保護を後退させる規制緩和の動きがあります。連合は、こうした動きに対し、均等待遇の実現を求めるなど、労働者保護の視点から取り組みを進めます。
連合は、クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン「長時間労働の是正」の一環として、2017年2月~5月に「集めよう、届けよう、働くわたしたちの声」と題したフォトメッセージの投稿を呼びかけ、全国から5710枚のフォトメッセージが集まりました。
また、2017年3月~6月に36協定や勤務間インターバル規制について認知度を調査するため、全国のメーデー会場や街頭など381箇所で街頭アンケートを実施し、のべ23,950人の回答がありました。
誰もが安心して働くことのできる社会を実現するには、まずは働きたいと願うすべての人が、意欲と能力に応じた雇用の機会を得られなければなりません。そのため、雇用対策は働く人それぞれの状況に応じて、個別に強化を行う必要があります。
若者雇用を取り巻く現状は、非正規雇用割合の上昇、ミスマッチ等による早期離職、違法行為を行ういわゆる「ブラック企業」若年無業者の増加など、多くの課題が指摘されています。若者の早期離職理由の多くは職場環境の問題に起因しており、労働組合では、職場の課題解決に取り組むほか、「若者雇用促進法」の内容が実効性あるものとなるよう取り組んでいます。
高齢者雇用については、60歳以降の働き方・暮らし方のニーズを尊重した上で、希望する者全員が60歳以降も働き続けられる雇用対策が求められます。
障がい者雇用については、2016年4月から障がい者差別禁止と合理的配慮の提供義務がスタートしたこと、また、2018年4月以降には法定雇用率の算定基礎に精神障がい者が追加されることを踏まえ、障がい者の雇用促進と定着促進に向けた労使の取り組みが求められます。