厚生労働省は、2015年10月に「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」を設置し、以降、現行の労働紛争解決システムのあり方や、解雇無効時における金銭救済制度の必要性について議論を行いました。2017年5月には検討会報告書が取りまとめられましたが、「解雇無効時における金銭救済制度」については意見がまとまらず、3論が並記されました。
その後、厚生労働省は、2018年6月に有識者のみで構成する「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」を設置し、仮に制度を導入するとした場合に法技術的に取り得る仕組み等について議論が行われ、2022年4月に法技術検討会報告書が取りまとめられました。
連合は、不当解雇を正当化しかねない制度は断じて認められない旨、2022年4月6日に談話を発出しています。
2022年6月の「新しい資本主義グランドデザイン及び実行計画のフォローアップ」では、解雇の金銭救済制度について「労働政策審議会の審議を経て、その結果に基づき、所要の措置を講ずる」こととされています。
いま必要なことは、長時間労働の是正や正規雇用と非正規雇用労働者の処遇格差などの問題を着実に解消し、すべての働く者が、安心して働ける見通しを持てる社会にすることであり、「カネさえ払えば首切り自由」の制度を創設することではありません。
連合は、引き続き、構成組織・地方連合会と一体となって、「解雇の金銭解決制度」の問題点を広く社会に訴え、その導入阻止に向けた取り組みを進めます。