厚生労働省の障害者雇用状況に関する調査によれば、民間企業に雇用されている障がい者の数は、約61万3千人(前年比2.7%増)、実雇用率は2.25%(前年比0.05%増)と増加しています。
一方で、「障害者雇用促進法(※1)」が定める「法定雇用率(※2)」は2021年3月に2.3%に引き上げられ、「法定雇用率」を達成している企業の割合は48.3%(前年比1.3%増)となり、いまだ半数以下となっています。
厚生労働省「令和4年障害者雇用状況の集計結果」(2022年12月23日発表)より
障がい者の雇用促進を図るため、事業主の義務などを規定した法律です。
障害者雇用促進法において、事業主は法で定められている雇用割合以上の障がい者を雇用しなければならないと定められています。
障害者雇用促進法が定める事業主の義務(抜粋) | 雇用義務制度 | 法定雇用率に相当する割合の障がい者を雇用することを義務付ける制度 |
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差別禁止 | 募集・採用・賃金、教育訓練、その他の待遇について障がい者であることを理由とした差別的取り扱いを禁止 | |
合理的配慮 | 障がい者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置を講ずることを義務化(※事業主に対して過重な負担を及ぼす場合を除く) | |
苦情処理・紛争解決援助 | 差別禁止、合理的配慮に関する障がい者からの苦情の自主的な解決を努力義務化 |
法改正では、事業主の責任による障がい者の能力開発やキャリア向上への支援の強化、障害特性に配慮した20時間未満の短時間雇用※の推進、財政安定に向けた企業への調整金等の抑制、企業ニーズに応じた助成金拡充など、連合が求めてきたものとして、障害者雇用の質の向上に資する改正と受け止めています。
※適用対象は重度身体・知的・精神障がい者 障がい者雇用に関して、ノーマライゼーションの理念に沿って、就労を希望する者が事業主による合理的配慮を受けつつ、地域社会で働きながら暮らしていけるようにすることが重要です。働きたい、働き続けたいと希望する障がい者の就労促進や職場定着にむけ、障害者雇用に取り組めていない企業へのノウハウ支援の強化など支援策の拡充が必要だと考えています。
連合は、引き続き、障がいの有無や種類、程度にかかわらず、障がいなどにより働きづらさを抱える誰もが、いきいきと安心して安全に活躍できる社会の実現に向けて取り組みます。