芳野会長、清水事務局長、村上副事務局長、仁平総合政策推進局長(2024年12月19日)
皆さま大変お疲れ様でございます。本日も大変お忙しいところお集まりをいただきまして誠にありがとうございます。本日で今年最後の定例記者会見となります。1年を通して様々な場面で連合の取り組みをご取材いただきましてありがとうございました。来年もぜひ連合の取り組みにご関心を寄せいただきますよう、お願いを申し上げたいと思います。
さて、年の瀬を迎えておりますが、臨時国会は会期延長となる見込みと報じられております。総選挙の結果、少数与党となった本臨時国会では能登半島の復興関連予算の確保や103万円の壁の問題、あるいは政治改革法案など、野党の主張が取り入れられる場面が見られました。年明けの通常国会でも与野党が真摯に議論を重ねて、国民本位の政治が進められることを期待したいと思います。
今年を振り返りますと、能登半島地震やその後に起きた豪雨災害を含めて、能登の被災地に寄り添った1年であったと思います。復旧・復興は道半ばですので、連合としても引き続き被災地へ寄り添ってまいりたいと思います。メディアの皆さまもぜひ被災地の様子を随時全国にお届けいただけるとありがたく思います。
本日は第1回中央闘争委員会を開催いたしました。この間、繰り返し訴えておりますとおり、賃上げの流れを巡行軌道に乗せ、新たなステージを定着させる2025春季生活闘争にしたいと考えております。賃上げが昨年を下回る結果とならないよう、連合一丸となって取り組んでまいりたいと思います。
最後に、本年の皆様のご取材にあらためて感謝を申し上げ、冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日協議にかけましたものとして、まず、2025年度の最低賃金の取り組み方針についてお諮りをし、ご決定をいただいたところでございます。基本的には、最低賃金については、公労使の三者構成原則のもとで真摯な議論を積み重ねるべきというのが連合の基本的なスタンスであります。2025年度の目標としては、全都道府県で連合が申し上げているとおり、1000円以上をめざすということであります。昨年、16都道府県まで増えましたが、まだまだ47都道府県に至っておりませんので、まずはその1000円ということであります。また、中期的に達成すべき目標への到達に向けた引き上げをはかっていくということであります。様々なものの見方はありますけれども、連合としては、求人賃金募集の実態や高卒初任給との均衡であったり、そういったものを考慮の上ですね、連合のリビングウェイジや相対的貧困水準の1321円などを重視しながら、あるべき水準への到達をめざしていきたいということがあります。3点目は、地域間の「額差」を金額の底上げによって縮小するということで、特にCランクの底上げと同一ランク内での額差の縮小にこだわっていきたいということを考えております。日程については少なくとも10月1日に改正が発効できるよう、遅くとも7月末ということで目安答申としてめざしてまいりたいと思っています。三者構成のお話を言いましたが、3要素について、労働者の生計費、労働者の賃金、そして通常の事業の賃金支払い能力、この3つですね、三者構成でよく議論になりますので、こういったことも考慮しながらやっていきたいということであります。10月1日までの発効をめざして、さまざま審議日程についても配慮してまいりたいと思いますが、なかなか金額の審議で難航する部分が毎年少しずつありますので、そういったことがないように連合本部としても対応についてはかってまいりたいと思っております。それから特定(産業別)最低賃金については、労働条件の向上または事業の公正競争をより高いレベルで確保し、産業ごとの企業横断的な最低賃金水準を決定する役割を果たしていると、こういった重要なものであるということを念頭において取り組んでいきたいと。特定最賃については、使用者側の委員の方から合理的な説明もないまま、「必要性はないんだ」という発言も見えるところがありますが、そういったところに対しても、連合は非常に重要なものであるということで主張してまいりたいと思っております。それから今年ですね、最低工賃の取り組みというのを新たに加えたところであります。最低工賃は家内労働者にとって重要なセーフティネットであると思っています。実態に合った見直しを行う必要があると思っています。家内労働法において最低賃金との均衡を考慮して定めなければならないとされていることに鑑み、そういったことについても今回記載をさせていただいたところでございます。
続いてですね、第27回参議院選挙の候補予定者の推薦を行いました。今日は、6地方連合会から6名の推薦の申請が上がりましたので、その推薦を確認しました。これで13地方連合会12名と、また、これまでに決めてきました比例の部分については、9構成組織9名ということで、今日段階で確認したところでございます。
続いて、第50回衆議院選挙の取り組みのまとめについてお諮りをし、ご決定をいただいたところであります。連合の推薦候補者の結果については204名の推薦者を立てましたが、小選挙区で100名、また比例代表では49名の合計149名の方が当選をされたということで、今日最終確認をしております。また、自公を合わせて215議席と15年ぶりに過半数を下回ったということ、今日それに至った経緯も確認をさせていただきました。立憲民主党が148議席と50議席を増やしたこと、国民民主党が28議席と公示前の7議席からの4倍増といったところで、私たちが連携協力してきた政党が大きく伸びたこと、これについて私たち自身も組合として頑張ってきたところがあるということで確認をしたところでございます。ただ、立憲民主党の1157万票という前回の部分をから横ばいという票数、7万票しか伸びていないということですね。国民民主党については617万と前回を倍増する形で、比例が伸びたということを含めて、これについての課題もあろうかと思っております。政治分野の男女共同参画をずっとこの間訴えてまいりましたが、今回立候補した女性の方は314人ということであります。2019年の229人からは大きく上回りですね、また当選された方も73人、15.7%ということで、2019年の54人、11.3%よりも伸びたということについては、これは全体としては、評価まではなかなかいきませんが、一歩前進ということで今日も確認をさせていただいたところであります。方針の策定に至って、私たちは「人物重視・候補者本位」を基本に「、働く者、生活者の立場に立つ政治勢力の最大化」とした「基本方針」の考え方を前提に置きつつ、「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」することを明確な目標として掲げて取り組みました。こうした、非常にチャレンジではありましたが、非現実的ではなく、かつ分かりやすい目標を掲げたことで組織内組合員の皆さんにも十分に浸透した戦いができたのではないかと思っております。その他、お配りしている部分にもあるとおりでございますが、先の衆議院選挙について一定の確認をして、今日を終えたところでございます。
続いて、今度は第27回参議院選挙の基本方針について、協議をいただき決定したところでございます。衆議院選挙での与党過半数割れの影響は極めて大きいと捉えております。自民党はこれまでの圧倒的な議席数を背景とした強引な国会運営から一転してですね、会長挨拶にもありましたが、野党の動向や主張などにも配慮せざるを得なくなったという状況が生まれております。こういったことが臨時国会でも散見されたところでありますが、この状況を受けて、来年夏の参議院選挙については政権交代に向けた重大なステップであるということで方針の前提として確認をしたところでございます。次期参議院選挙をですね、政権交代への確かなステップとすべく、参議院の与党過半数割れを念頭に置いた、少なくとも与党の改選過半数割れを必達目標として、連合推薦候補者全員の勝利に向けた取り組みを進めるということで確認をしたところでございます。その他、具体的なところについては、立憲民主党・国民民主党との候補者調整のことや立憲民主党・国民民主党を含めた野党の最大化をはかるべく、候補者の調整をすることも必要ではないかということについても、様々な意見を含めて確認をしたところでございます。以上の4点について中心に確認をさせていただくところであります。その後、第1回の中央闘争委員会を開催しましたので、これについては仁平総合局長からお話をさせていただきます。
本日から前に座らせていただいております仁平です。またよろしくお願いいたします。
緑の合紙の後についている4-1の資料でございます。本日は日程関係を確認させていただきました。3ページでございますが、「社会対話の促進」のところでございます。先週は経済同友会とのトップ懇をやりましたが、年明け以降、経団連あるいは中小企業団体とのトップ懇を随時やっていきたいと思っております。あらためて、また日時・場所等整いましたら、皆さん方にお知らせをさせていただきたいと思っています。
もう1つは5.のところでございますが、要求提出と交渉配置、記載のとおりでございます。書いてある趣旨は11月28日中央委員会の後に行いました共闘連絡会の代表者会議で確認をした中身について、中央闘争委員会としてもあらためて確認をしたという中身でございます。以上でございます。
日本経済新聞のイダです。よろしくお願いします。最低賃金に関するところと、あともう1点ちょっと別の話題でお伺いします。まず、最低賃金のところを会長にお伺いしたいんですけれども、今回連合として25年度全都道府県で1000円以上というふうにありますけれども、あらためてこの「誰でも1000円以上」というのが労働者の生活にとってどういった重要性を持つのか、それの達成がどれほど意義があるのかというところを会長の口からお伺いしたいのが1つと、あと金額差のところですね、これはCランクの底上げと同一ランク内の額差縮小というのが1つとありますけれども、これは、具体的に数字はないですが、現状の額差よりもそれぞれ縮小することが目標という理解でいいのか、まずそこをお願いします。
後半については仁平さんのほうから。まず、連合としてはこの間も「誰でも1000円」を目標に掲げていますので、まずこれを達成していくということが非常に重要だと思います。そして世界から見ますと、やはり日本の賃金水準というのは低いということですので、やはりこれは連合としては1つの通過点になるかと思います。もう少し上げていく必要はあるかと思います。ただ、今は誰でも1000円を掲げていると。
1点目、若干補足をさせていただいてもよろしいでしょうか。9ページに連合リビングウェイジと最賃の都道府県ごとの一覧が出てございます。これも十数年前に1000円という目標を掲げたものでございます。当時でいきますと、やはり最低の暮らしができるためにはやっぱり1000円ぐらい無いといけないんじゃないの、ということでございましたが、この間、やはり経済状況も物価の状況も変わっております。そういう意味で、当初の目標をやっと、名目値でありますが、クリアできるところまで来たということは非常に大事ではございますが、さらにそういう意味では上をめざしていく必要があるのかなと思っています。
それと、ご指摘の地域間額差の話でございますが、今年の夏の審議でも数円詰めることはできましたが、もうちょっとそういう意味では詰めていく必要があるのかなと思っています。今ほどの表で見ていただいてもですね、地域物価指数というのがございますが、これも東京だけダントツで住居費だけは高いわけでありますけど、その他のところを見ていただくと、もうある意味1割くらいの中に入っているわけでありますから、今、全国加重平均で1055円に対して200円以上の差があるというのは、やはりもうちょっとそこは圧縮していかなきゃいけないんじゃないかという思いでございます。ただ、それぞれの去年、地方で積んでいただいた部分もありますが、やはりどれくらいの水準を上げていくのかということで、地方の格差のスピードみたいなことも総合的に考えなきゃいけないと思っているので、各地方連合会と相談をしながら、そこについては進めてまいりたいと思っております。
ありがとうございます。ちょっと最低賃金とは別の話題で次なんですけども、今、厚生労働省の雇用保険部会で雇用保険料率いわゆる失業保険とかああしたものの保険料の料率を来年度どうするのかという話し合いが進んでおります。週明けにも、もう一度部会を開いて取りまとめをする方針と聞いているんですが、前回の部会ではその料率を維持した場合、保険料率を維持した場合、下げた場合と、試算が出ていたわけで、労働者からしても仮にその保険料率が下がっていけば負担が減るということになるんだと思うんですけども、あらためて会長からその雇用保険の料率というのは下げるべきなのかどうかも含めて、どのようにあるべきなのかというのをちょっとご意見を伺ってもいいでしょうか。
担当総合局長からお願いします。
労働法制を担当しております冨髙でございます。すでに審議会の中でも申し上げておりますけれども、料率というのは労働者と使用者側が負担しているところではございますけれども、きちんと負担をしていくことで、安定的な財源運営をしていくという視点もございますので、一概に低くしていくことがいいということではないということで、今までも発言しているところでございます。
時事通信のキダと申します。参議院選挙の基本方針に関して、芳野会長に2点お伺いできればと思います。まず1点目、「今後の国会運営を含めた立憲民主党・国民民主党の対応如何によっては情勢が大きく変わる可能性もある」というふうに書かれていますが、国会での連携も含めて、両党にどのような振る舞いですとか対応を求めるのかを少し詳しくお伺いできればと思います。
この間も両党代表者中心にトップ懇談会の中で意見交換をさせていただいておりますけれども、やはりそれぞれの立場があるかと思いますが、1つ1つの項目について胸襟を開いて対話重視で話し合いを続けてほしいなと思います。
2点目なのですが、「『与党改選過半数割れ』の実現のためには、両党を中心とする野党勢力の結集が大きなポイントになる」とも書かれています。野党の候補一本化をめぐっては、維新が予備選を提案していますが、この表記というのはこうした維新の動きも念頭に置いたものなのかどうか、お聞かせいただければと思います。
表記については内藤さんいいですか。
政治センターの内藤と申します。表記についてはですね、維新を念頭に置いているということではないんですけれども、基本的にそこに記載をしているとおり、立憲・国民を中心にですね、候補者調整をしていただきたいということと、少し共産党に被せて書いているところもございますけれども、要は「候補者調整までですよ」というところも書いていると思いますが、その表記ということでございます。ですので、維新を念頭に置いて書いているというわけではないということではあります。
朝日新聞のサワジです。3点ほどあるんですけど、1つは、ホンダと日産自動車の経営統合の議論がされているということが明らかになりました。自動車産業は裾野も広いですし、もちろん連合の中でも主要な労連と単組なわけですけれども、今後春闘などに何らかの形で影響していくのか、おそらく下請けとか関連の労働者の中にもある種の不安感みたいなものがあると思うんですけれども、そのあたりの影響についてはどういうふうにご覧になっているのかというのを、これは会長にお願いします。
あと2点目が、今日のこの最賃なんですけれども、10月1日の発効というのは割と維持されているんですけれども、今年の審議、例えば徳島が典型ですけれども、あそこは知事が非常に強い意向を示して、結果的には高い金額を実現し、発効は11月1日になったわけですね。つまり発効を遅らせたほうがむしろきちんと交渉して金額が上がるという可能性があるということを、ある意味まざまざと見せつけたというところがあると思うんですけれども、にもかかわらずこの10月1日というところにこだわる理由というのはどの辺にあるのか。
あと、最低工賃のところで家内労働者の話がはじめてだというふうに先ほど事務局長が説明されたので、これはどういう意味合いがあるのか。あまり家内労働者って人数的に言うとそんなに多くないんですけれども、この辺の意味合いをもう一度あらためてもう少し詳しくお願いします。
まず、1点目についてですけれども、個別企業の統合のことですので、連合としてコメントは差し控えたいと思います。そして、来年の春季生活闘争については、それぞれの組合が状況を加味しながら要求をこれから組み立てていくかと思いますので、今回の統合に対する影響というのはまだ出てこないのではないかと思います。
2点目、最賃の10月1日発効へのこだわりでありますが、これもサワジさんがご指摘いただいたのは、3.の中賃の日程配置のところの話に触れていただいているんだろうと思っております。そういう意味では、全体を俯瞰して目安の日程も含めて配置をしているものですから、中央の書きぶりとしてはやっぱり労働組合のないところで働く人たちへの波及という意味ではやっぱり1日でも早く、こういう意味では波及はさせるべきだと思っていますので、原則どおり中央のところは書かせていただきました。4.のところでは、地方最賃審議会のところの話を書いておりまして、ここでも日程配置というのが書いてございまして、そこを基本的にはめざしましょうということなのですが、まさに書きぶりで、水準が高くてなかなか納得できる答えが出せないというような時に、今年の夏みたいなケースが考えられる場合には、連携をはかりながら、どんどん後ろにみんな下がっていってもしょうがないので、連携をはかりながらやっていくということでございます。
それと、家内工賃の話であります。7ページに、事務局長も触れていただいたとおり、今回はじめて書かせていただきました。今年の夏の最賃の要請前段で、4月だったでしょうか、厚労省要請させていただいた時も、この項目、1項目を実は入れさせていただきました。なぜかというと、家内労働者は今だいたい10万人を切っている規模ぐらいであります。そんなに多くないんですが、ただ最賃の外側にいても働いている人たちがどうなんだということについては、やっぱりそこも含めて波及は大事だと思っています。なぜ今年要請も含めてやったのかと言われれば、この間やっぱり地域別、ここの法の趣旨のとおりなんでありますけど、地賃についてはこの3年間くらいで100円くらい上がっているんですが、この間大体3年クールくらいで最低工賃も様々なものが県別にありますけれども、見直しをされておりますが、平均値で実態調査を取ると1円くらいしか上がっていない。やはりこの法の趣旨も含めて、これでいいんだろうか、ちゃんと審議がされていない、見送られているというケースも非常にあるものですから、やはり働く人の法律どおり、実態をちゃんと踏まえながら、実のある審議をしていくということが大事だろうと思ったものですから、人数は10万人を切っているかもしれませんが大事にしてやるべきだということで、はじめて書かせていただいた次第でございます。
NHKのイガラシです。2点お伺いさせてください。まず、訃報の関連で芳野会長に伺います。読売新聞グループ本社の代表取締役・主筆で、政界やプロスポーツ界にも影響を与えた渡邉恒雄さんが、今日未明、都内の病院で亡くなりました。会長としての受け止めなどありましたらお伺いいたします。
まずは、訃報に接しお悔やみを申し上げたいと思います。私自身は直接お会いする機会はありませんでしたけれども、労働組合、そして連合の立場としては、2004年のプロ野球選手会の再編問題ですとか、選手会によるストライキのことを思い起こします。いずれにしても、戦後長きにわたり日本の言論界そして政治の世界に影響を与えてきた方であるということを認識しておりますし、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
ありがとうございます。もう1点、先ほどの、本日決まった連合としての参院選の方針について芳野会長に伺います。自公を改選議席の過半数割れに追い込むために、立民と国民の両党に候補者の一本化などを要請するものとなっていますが、伺いたいのが、会長として、この参院選に向けた意気込み、それから、連合と立憲民主党、国民民主党との政策協議会についての最新の調整状況もあわせて伺います。
先の総選挙においては、本当に全国の仲間のおかげで連合の目標だった「与党を過半数割れに追い込み、今の政治をリセット」するということを掲げ、その目標を達成することができました。この流れを来年の参議院選挙にもつなげていくということはもちろんなんですが、やはり連合としては、この間、地域とともに立憲・国民との間で候補者調整をしていただきたいと思いますし、総選挙が終わって、連合組織内議員懇談会のメンバーが政策協議に向けて動き始めていますので、その動きを注視していきたいと思っています。
朝日新聞のカタダと申します。芳野会長に2点お伺いします。1点目が春闘についてですけれども、日銀も金融政策決定について賃上げにかなり関心を寄せている中で、産別からも高い要求水準が出ていますけれども、25春闘の現時点の手応えであったり見通しを教えてください、というのが1点目です。
2点目は、談話もすでに出ているものですけれども、下請法改正について有識者会議の報告書が出ましたけれども、その受け止めと高価格転嫁が進むことによる賃上げの期待などを教えてください。お願いします。
交渉はこれからですので見通しという点についてコメントは控えたいと思いますが、2025春季生活闘争は、挨拶でも申し上げたとおり巡航軌道に乗せていくということで、春闘というのは1年で終わることではなくずっと継続していかなければいけませんので、今年を下回ることのないようにしっかりとこれから交渉を積み上げてほしいと思っています。そして、2025春季生活闘争では、今年の反省として中小・小規模事業者との格差が開いてしまったということがありますので、この格差を縮めていくということに力を入れていきたいと思います。
そして、後半の下請法の関係ですけれども、合としては評価をしているところですけれども、1日も早く国会審議に持っていっていただきたいと思っていますが、まずは私たちの取り組みとして、これからの労使交渉の中で取引先との関係がどうなっているのかということをもう一度徹底していく必要があるかと思いますので、連合としてはできることを淡々とやっていくということになるかと思います。
シカタといいますが、最賃の件でお聞きしたいのですが、例の家内労働、はじめてということなんですが、家内労働は、今、労働研究やってますよね、研究会がね、労働基準関係法制研究会ですね、家内労働者、家事ね、手伝い人も含めて労働者性を認めていこうというのが出されていまして、あの場合は2通りあってね、事業所に雇われて家事労働で派遣される人間と、事業主的な形と、2つあるんだけれども、いずれにしても労働者性を認めていこうというのが出ているんですが、この場合の最賃を適用するというあたり、そのあたりの家事労働者というのか、これは請け負いだと思いますけれどもね、実態なんか見ながら労働者性も見ていくような視野も入れて出されているのかどうかね、家事労働者の場合、電機がね、裾野広い産業で、産業的には電機関係も影響をすると思うんですが、産業的なことをどう視野に入れられているかお聞きしたいのが1点です。
それから、あとは、上げ幅の問題で、石破さんが言っている2020年代に1500円、と言ったら毎年7%上げていく…今1055円ですから、額にすれば70円ぐらい、70円強上げなきゃダメなんですよね。今まで、去年でも51円上がって最高最高ということなんだけれど、もっと上げないと、1500円、2030年、要するに約7%アップ、それから1500円にならないわけですね。そのあたりで、春闘の結果も影響すると思いますけれど、上げ幅のところでね、毎年7%アップ、約70円、25年でいけばなるんだけれど、そのあたりを視野に置かれて、大幅引き上げをされるかどうかね、そのあたりもちょっとお聞きしたいと思います。よろしく。
家内工賃の話は法律で確か、シカタさんご案内のとおりだと思うんですけど、労働者性の話ではなくて、部材を発注する側が委託する方にお渡しをして、その納品をもってその工賃を1個いくらとかいう形で決めていくので、この労働者性の話とお手伝いの話とはちょっとまた性質が違うのかなというふうには思っています。ただ、そういう昔ながらの伝統的な家内労働法でカバーしている範囲だけでいいのかっていう話については、今後の話としてはあり得るんだろうなと思っております。今はそれなので今の法律を前提に、その中であっても十分反映されていないんじゃないかということをここでは書いております。
最賃の話でございますが、これも表がその後に載ってございますのでちょっとご覧いただきますと、11ページに、会長と事務局長も出ました11月の政労使会議の時にも、連合の意見書ということで提示をさせていただいたものでございます。連合としては中央値の6割、だいたい今の賃上げのペースでいきますと中央値が3%ぐらいずつ上がっていくとすれば、2035年くらいで1900円くらいのところまで上げていくのが適切かなというスピード感を持っておりますが、それから考えると岸田政権時代の目標値を前倒しするというのはやはり我々の方向性ともそれは必要なことだろうなとは思っております。ただ、なぜ1500円なのかという話も含めて目標値の持ち方、1年だけまさに70円上げればいいという話ではないと思いますので、やはりどういう目標に対してどういうスピードで上げていくのか。今よりスピードアップするのであれば、これは民間の調査会社のアンケートなどでも拝見しておりますが、中小企業の経営者の皆さんのアンケートでいけば「いやそんなの無理だよ」みたいな感覚もあるわけでありますから、どのようにできる環境を作るのかといったことがやっぱり必要なことだと思っておりますし、だから、目の前の単なる数字の話よりは、やっぱり中期的にきちっと連合が掲げるような目標に向かって、どれだけ実践的に継続的に上げられるのかといったことが大事なのかなと思っている次第です。
毎日新聞のタナベです。会長にお伺いします。国民民主党の玉木代表、役職停止という判断が出て、今停止中ですけれども、まず会長は「本人が信頼回復されるよう努力を」ということをおっしゃっていたと思いますし、あと、別に「けじめをつけるよう求めた」という話も報道されております。今回の国民民主党の対応と、その後の玉木さんの今の振る舞いについて、何か見解があれば、また玉木さんなり国民民主から処分について説明があったのかどうか、またお願いします。
処分については党が決めたことですので、そのことに対してコメントは控えたいと思います。また、ご本人のほうから処分が決まったということでご報告をいただきました。
どのような報告だったか、教えていただける範囲でお願いします。
報告は報道のとおりです。私のほうとしては玉木さんからの報告に対して受け止めるということでお返事はしてあります。
フリーの記者のモリです。会長にお尋ねします。推定組織率が下げ止まりませんが、これはなぜでしょうか。労働組合の努力不足なのか、あるいは構造的な問題なのか、どうご覧になっていますかね。
両方あるかというふうに思います。まず1つ目は、雇用者数、例えば定年後再雇用の方ですとか、あと定年年齢の引き上げですとか、女性の雇用者数が増えたということで、分母が増えていますので、そういったことから組織率が、組合員数が低下をしたように見えていることもあるかと思います。それが1つ。もう1つは、これからしっかりと分析も必要かというふうに思いますけれども、担当局のほうでこの間ヒアリングをはじめ、さまざま現場の実態を見てみますと、1つには事業再編ですとかM&Aが起こった場合に、例えば労働組合のある企業と無い企業とで合併をしたときに、そのタイミングで労働組合がなくなってしまうというケースがありますので、連合としてはそういったケースの場合にはしっかりと組合を残し、組織拡大をはかっていくというところに力を入れていかなければならないと思いますし、また、定年後再雇用の皆さんも組合員の範囲の見直しとして組合に留まっていただくだとか、定年が引き上がった時にもそのまま組合員でいていただくだとか、それぞれの組合の中での組合員の範囲というものの見直しというものも力を入れていかなければならないじゃないかというふうに思います。もう1つは、これはなかなか連合の立場では非常に難しいんですけれども、個別の加盟組合であればおそらく人員構成を持っていると思いますので、これからどのくらい自然減、定年退職者が増えていくかっていうのはだいたい見通しが立っているかと思いますので、やはりその自然減に対してやはり加入者数も同じようにしていかなければこれプラマイゼロになりませんので、そういったところもやはりこれからそれぞれの加盟組合の中でどういう組合員の推移でいくのかということもしっかり見通しをしながら組合員化をめざしてほしいなと思います。あとは、オープンショップのところもありますので、オープンショップのところはユニオンショップに変更していくだとか、そういった取り組みも強化をしていく必要性があるのかなと思います。
労働組合の努力が不足しているとは言えないんでしょうか。
それも否めないと思います。
それからもう1つ、来年の景気をどう見ておられますか。強気なのか弱気なのか。
非常に難しいのでコメントは差し控えたいと思いますが、今のやはり物価上昇がまだ歯止めがかからないという状況を考えますと、2025春季生活闘争については今年以上の結果が求められていると思いますし、しっかりと今年以上を求めていきたいと思います。
月刊誌のファクタのミヤジマと申します。宙づり国会でもう一変しました風景が。この状況を、芳野会長はここ数年来の大変な上げ潮だと受け止めておられるのか、それを伺いたい。それとあわせて、参議院の基本方針を読みますと、私はちょっと疑問があるんですけど、いわゆる与党過半数割れを必達目標として、それから、与党改選議席の5議席ですよね、たったのね、だけどこれ18あればもう完全になるわけですよね。どうして前段のが「念頭に置く」というような表現になるのか。この上げ潮なら当然やっぱりそれをめざすということなんじゃないかと私は思うんですけど、これは今日の中執なんかでもね、やはりこの上げ潮に乗ってやっぱりという思いが芳野会長あるいは清水さんにどれぐらいあるのか、「念頭に置く」というのは私は、「念頭に置く」というのは備忘で横に置いておくだけですから、本来「過半数割れをめざす」ということにならないのか、そこのことを伺いたい。
今の状況まさしく30年ぶりのハングパーラメントということで、やはり与党も野党も知恵を絞りながら国会運営をしていくということが非常に必要だと思いますし、非常に景色が変わってきたということについては連合としては評価をしています。そして、連合が求めていた緊張感のある国会運営という点では、まさしく今そういう形で行われているのではないかというふうに思います。そして、次の参議院選挙に向けては、「念頭に」という言葉はありますけれども、今回の結果を引き継いでいくということでは、参議院選挙も立憲・国民ともに、連合推薦候補者全員の当選を向けて地域とともに戦っていくということですので、今の流れを引き継いでいきたいと思います。ただ、総選挙の時には、やはり政治とカネの問題もありましたし、選挙の途中での2000万円の問題もあり、かなり風が変わったということを実感していますので、そういった「風」ではなく、立憲も国民も政策を中心にやはり有権者を取り込んでいくということがとても重要ですので、そうした政策を前面に出し、政策実現の結果、次の選挙につなげてほしいと思います。
もう1点だけ伺いますけど、この希望の党騒動以来、あまり組織内議員の方が活躍している姿っていうのは、あまり僕は見なかったような気がするんですけど、今回、浜口さんが政調会長で、まさに今103万の壁、この前面で頑張っていると。トヨタ労組、自動車総連ですよね、確かね、今後この流れで、異例のことですけど政調会長だけど毎週会見をするような、やっぱりそういう流れがあるんですけど、例えばこういうムーブメントになっているところで、103万の壁ですか、年収の壁の問題とか、そういうのを応援プロジェクトというかですね、そういうのを含めましてね、連合として何か積極的に動くということはないのか。
連合としては連合の考え方がありますので、引き続き、立憲・国民に対して連合の考え方をお示ししていくということになるかと思います。そして、今、審議会部会でも議論をされていますので、その中で連合のメンバー、労働者側のメンバーが、連合の考え方をしっかりとそこで発信をしていくということが求められているのではないかなと思います。
日経新聞のオオサワです。芳野会長に伺います。政治の関連で伺います。まず、立憲民主党と国民民主党の政策協議ですけれども、合意をしたのが前の体制の8月頭、もう4ヶ月以上経ってるわけで、そのあと選挙があって臨時国会ももうすぐ終わろうとしていますが、まだに明確な進展というかですね、議論っていうのはないと思うんですけれども、この状態は遅いのかなと思うんですが、会長のご所感はいかがでしょうか。
総選挙が終わって意見交換会をはじめたという報告を国民から受けていますので、その状況を見守っていきたいと思っています。できるならば、やはり来年の参議院選挙には間に合わせてほしいと思っていますので、見守っていく、注視していくということですけれども、これ焦ってもいけないと思いますし、簡単なことではないというふうにも一方では思っていますので、しっかりとした議論をしていただきたいということが連合としての考え方です。
先ほどのお答えの中で、両党に、政策を中心に有権者を取り込んでいってほしいというお考えだったと思うんですけれども、その際に参院選の方針の中で野田さんに対して「単なる数合わせではなく、国民・有権者の期待に応え得る政権の形が求められる」と割と厳しい書きぶりがあると思うんですけれども、これはつまり政権像が示せてないのではないかという指摘だと思うんですが、それはやはりその両党の基本政策の一致点を見出すことなしに、そういうことは示せないという、そういう連合としての指摘なんでしょうか。
それについては内藤さんいいですか。
その協議が整わなければ示せないということでは必ずしもないんですけれども、やっぱりその前提、要は政権を取るために、政権を取った時に必ず国民から問われる内容を両党で合意してください、という言い方を我々としてさせていただいているということなので、今ご指摘のところとはちょっと違うかなと受け止めています。
ごめんなさい、1点だけ、芳野会長に伺いたいんですけど、野田さんに求める野党第1党として政策面でのリーダーシップというのはどういうふうに期待したいか教えてください。
期待とするならば、やはり野田代表中心に野党の中で協議が進んでいければいいのではないかと思います。いずれにしても、立憲も国民も、どういう社会像を描いているのかということを有権者に示していただかないとたぶん判断できないかと思いますので、総選挙の時にはどちらかというと立憲は割と批判が前面に出ていたような気がしますので、もう少し社会像をしっかりと示していただきたいなと思います。