無期転換ルールは、有期雇用で働く皆さんが、期間の定めなく安心して働き続けられることをめざす制度です。2023年4月には、大学や研究機関等で働く有期雇用の研究者等の皆さんも無期転換の申込みができるようになります。また、より多くの方が無期転換ルールを使いやすくなるよう、2024年4月には制度改正が行われます。
5年を超えて契約更新となる時、労働者からの申込みにより無期雇用に転換できるルールです。「契約社員」「パートタイマー」「アルバイト」「派遣社員」など会社での名称は問わず、有期契約労働者であれば対象になります。
労働組合としては、有期雇用の労働者の皆さんが安心して働き続けられるよう、無期転換の促進と処遇改善に取り組みましょう。
2013年4月1日以降に開始した有期労働契約の期間をすべて合計すると5年を超えている
※契約の間に一定のクーリング期間(6か月以上)がある場合には、クーリング期間前の契約が通算されない場合があります
契約の更新回数が1回以上ある
すべて同じ使用者(企業等)である
すべてあてはまる
労働者からの申込みに対し、会社は断ることはできません。
トラブル防止のために、書面で申し込むことが大切です。
有期契約労働者の労働条件を確認しよう
無期転換促進に向けて取り組もう
処遇改善に向けて取り組もう
ルールの濫用防止に向けて、
クーリング期間や雇止め法理(改正労働契約法第19条)の周知などに取り組もう
有期契約労働者や無期転換労働者の組織化に取り組もう
ルールの詳しい解説は「有期労働契約Handbook」や
厚生労働省ホームページをご覧ください。
大学や研究機関等で働く教員・研究者等や、高度専門職として有期のプロジェクトで働く有期契約労働者の場合、無期転換申込権が発生する通算契約期間は10年とされています。
無期転換ルールが施行されて10年になる2023年4月からは、無期転換の申込み対象となる方が出てきます。改めて10年ルールについて確認しましょう。
大学、研究開発法人、試験研究機関等(※)の研究者など
※対象機関は法律等で具体的に決まっています。詳しくは、厚生労働省の解説ページへ
2013年4月1日以降に開始した有期労働契約の期間をすべて合計すると10年を超えている
※契約の間に一定のクーリング期間(6か月以上)がある場合には、クーリング期間前の契約が通算されない場合があります
契約の更新回数が1回以上ある
すべて同じ使用者(研究機関等)である
すべてあてはまる
無期転換ルールのさらなる活用促進に向け、2024年4月から新しいルールが加わります。
有期労働契約の締結・更新の際に、労働者に書面で明示しなくてはならない内容が拡充されます。
以下の2つのタイミングにおいて、書面明示することが義務化されます。
無期転換ルールの適切な利用を促進していくために、いつから無期転換できるのか
などについて、使用者(企業等)から説明を受けられるようになります。
有期労働契約締結後に、更新上限を新たに設定もしくは期間を短縮する場合に、その理由を説明しなくてはなりません。
無期転換が可能になる契約更新時に、以下の点について使用者は説明に努めなければなりません。
契約書などで自分の契約内容をしっかり確認しよう
無期転換ルールなどについて積極的に使用者(企業等)に説明を求めよう
転換後の賃金、諸手当、福利厚生などの労働条件それぞれについて、どのように正社員とのバランスをとったのか説明を求めよう
契約更新上限の新設や期間の短縮がないか確認し、
あれば使用者(企業等)に説明を求めよう
改正内容に沿った対応がしっかりと行なわれるよう使用者(企業等)に求めよう
契約更新ごとに、無期転換ルールについて周知するよう使用者(企業等)に求めよう
面談などで有期契約労働者の無期転換の意向を確認するよう使用者(企業等)に求めよう
無期転換後の賃金、諸手当、福利厚生などの労働条件について、どのように均衡考慮したのか、労働者からの申し出がなくても説明するよう使用者(企業等)に求めよう
有期契約労働者や無期転換労働者の組織化に取り組もう
もし、「雇止め」「契約の中途解除」「無期転換の申込による不利益な取り扱い」「雇用形態の違いによる不合理な待遇差」など、困ったことやおかしいと思うことがあった場合は、連合の「なんでも労働相談ダイヤル」にお電話ください。